Column Detail 脂肪細胞の正体とは?― 太りやすさ・痩せにくさの鍵を握る存在 ―

脂肪細胞の正体とは?― 太りやすさ・痩せにくさの鍵を握る存在 ―

2025.07.28

「なんとなく太りやすくなった気がする」「お腹まわりだけがどうしても落ちない」
そんな悩みが増えてきたのは、脂肪細胞が関係しているかもしれません。

痩せにくさの正体を知ることで、体型管理はグッと変わっていきます。
今回は、「脂肪細胞」に焦点を当てて、医療の視点から詳しく解説します。

脂肪細胞ってどんな細胞?ただの「余分な脂肪」じゃない?

「脂肪細胞」と聞くと、ダイエットの敵のように思われがちですが、実は私たちの体にとって大切な役割を担っている細胞です。
脂肪細胞には、エネルギーを蓄えるだけでなく、ホルモンを分泌したり、体温を調節したりといった機能もあります。

しかしこの脂肪細胞が過剰になると、見た目だけでなく、健康にも影響が出るため、上手につきあうことが重要です。

脂肪細胞は増える?減る?それとも大きくなるだけ?

脂肪細胞の数は、思春期ごろまでにほぼ決まると言われています。ただし、過度な体重増加やリバウンドを繰り返すと、新たに脂肪細胞が増える可能性もあるとわかってきました。

一度増えた脂肪細胞は、体重を落としても「数」までは簡単に減らせません。つまり、ダイエットで体重が減っても、脂肪細胞の数が多いままだと、リバウンドしやすくなってしまうのです。

脂肪細胞とリバウンドの関係

「せっかく痩せたのに、すぐ戻ってしまう」
その裏には、脂肪細胞の「記憶」があるかもしれません。

脂肪細胞は、一度大きくなったり増えたりすると、エネルギーを蓄える力が高くなります。つまり、体が「痩せた状態」を一時的なものと判断して、元の体に戻そうとするのです。

極端な食事制限や短期間のダイエットを繰り返すと、このリバウンドを招きやすくなります。

皮下脂肪と内臓脂肪の違いも脂肪細胞の違い?

脂肪細胞は「皮下脂肪」や「内臓脂肪」として体に蓄えられます。
皮下脂肪はお腹まわりや太もも・二の腕などの「つまめる脂肪」で、主に見た目に関わる部分。内臓脂肪は内臓のまわりにつく脂肪で、生活習慣病との関係が深いのが特徴です。

どちらも脂肪細胞で構成されていますが、体内での働きや代謝のスピードが異なるため、対処法も異なります。

脂肪細胞は減らせる?医療でできるアプローチとは

脂肪細胞を物理的に減らすことができるのが、医療痩身の強みです。以下のようなものがあります。

  • 脂肪溶解注射:脂肪細胞を直接破壊し、老廃物として排出を促す
  • 冷却痩身:脂肪細胞だけを選択的に凍らせて壊す
  • GLP-1内服:食欲コントロール+脂肪燃焼のサポート

これらは「脂肪細胞の数そのものにアプローチする」という点で、従来のダイエットとは一線を画します。

太らない体に変わるには?脂肪細胞との賢いつき合い方

脂肪細胞は、完全に消せるものではありません。
しかし、「増やさない」「大きくしない」「代謝しやすい状態に保つ」ことは十分に可能です。

そのために大切なのは、

  • 食べすぎない習慣
  • 筋肉を維持・増加させる運動
  • 睡眠やストレスコントロール
  • 必要に応じた医療サポートの活用

脂肪細胞を敵にするのではなく、うまくコントロールしていくこと。
それが、「太らない体」を目指す第一歩です。

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